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「じゃあ、WebプログラマーはCSSが書けなくていいの?」

 急激にグラフィックデザインの勉強がしたくなって、『ノンデザイナーズデザインブック』を買ってきた。かなり基礎的なことが書いてあり、素人にとっては、とても参考になることが多く、買って良かったと思う。とはいえ、「参考になった」というのは誰でも言えるので、このブログのCSSを少しずついじったりすることによって、実践も少しずつしていきたいと思う。

 そういえば、一部において「(Web)デザイナーはJavaScriptが書けるべきなのか」という話があって、その話の対になるものとして「プログラマーはデザインが出来なくてもいいのですか?」というのがある。一時期は「(Web)デザイナーはPHPがわかるべきか」という話だったらしい。自分はPythonistaだから、その界隈を引き合いに出すんだけど、Ruby関係のライブラリに対して、Pythonで書かれたものはページがダサいと揶揄されたことがあった。あと、アレ。

 「あ、それTwitter Bootstrapかー、あー、またBootStrapだよー、まーわかるんだけどー(地獄のミサワ)」。

 このあたりについては、とある勉強会で「Twitter Bootstrapはデザイナーではしまむら扱いという話もあるようで」みたいな発言を聞いたりしていた。

 確か、『More Joen on Software』で、Napstarに対する愚痴みたいなもの(「ユーザービリティがすべてではない」という章だね)が書いてあった。強引にまとめると「無残なユーザビリティーであったとしても、それは使われちゃうのだ」みたいな話だ。Napstarは、もうもはや聞かなくなったけど、P2Pで音楽を共有するためのソフトウェアだ。でも、この話は逆のことも言える。例えば、Webサービスを使うときに、何故かHTMLソースを読んじゃうような変人だったりすると、流行っているサービスであるのにも関わらず、ゴミみたいな実装が透けて見えたりして、唇を噛み締めることはあると思う。

 たぶん、Webデザイナーが「JavaScript」について知った方がいいという話は、端的にいってしまうならば、「その挙動はそもそもできるのかどうかくらいは分かった方が、色々とはかどると思う」っていうくらいの話だと思う。で、それ自体は逆のことが言えて、つまり「プログラマーが言っているデザインというのは、実はかなりむちゃくちゃなことを言っている」という話もあるわけで、以前の日記にも書いたけど、結果としてコミュニケーションの話なんだろうなという気がする。

 単純に、多くの物事は知っておいたほうがいいし、理解しておいたほうがいい。それは当たり前であり、それはどんな領域でも例外ではないと思うが、残念なことに我々は有限であり、有限なリソースと有限な関心領域しか持ち合わせることは出来ない。どれだけ雑食な関心を持つ人間であっても、やはりどうしても「これは興味わかねーな」という領域はあるわけで、それは仕方ないし、興味あっても、時間の束縛で知れないことは多くある。それは仕方ないことだし、それはそういうものだと思って割り切るしかないだろうなーとは思う。

 あと、もう一つ。たぶんWebデザイナーJavaScriptを勉強するよりも、Webプログラマーがデザインを勉強するよりも、誰にも見つからずに物陰に隠れるスキルを身につけて、月が隠れている晩に、無茶ぶりをする奴を鈍器で殴る方法を学ぶことのほうが世のために役に立つ気もする。でも、そのスキルが必要になる状態になったら逃げることを考える方が先決なのかもしれない。