Archive

所詮、俺のアイデアは大したことが無い

 昔から、何かしらの物事に対しての最適解みたいなものを見つけ出すことが苦手で、とはいえ、頭の中では何かしらいろいろなことが浮かぶから、「こういうものがあったらいいよね」ということをポロっと喋ったりするんだけれども、そういうときに、大抵は「それよりはもっといい方法があるよ」と言われたりする。

 それ自体は、たぶん悪いことでも何でもない、と無理に思うことにしている。面前で恥をかくということは多々あって、自分もよく恥をかいてきた人間ではあるし、恥ずかしいと思ったことによって傷つくことはあるんだけれども、それはそれとして、やっぱりいろんなことを話しては、いろんな考え方をもらうのが一番いいのかなと思ったりする。(自分に余裕があるときはね)

 そういうのを、俺は「最初の一撃」と呼んでいる。

 説明は難しいけど、人がしゃべり始める瞬間というのは、何かしらのきっかけが必要になるように感じる。「自由に発言してください」という言葉が、意外にも相手の顔色を伺うような形にしかならなかったりするのだけれど、逆に何かしらのテーマを与えられた瞬間に、饒舌に、それこそ「自由」に話始めることができたりすることがある。多分、会話というのは、幾つかのフックがあって、そのフックに反応するようにして話始めるのだけれども、そのフックのことを、自分は「最初の一撃」と呼んでいる。

 ブログとか、Twitterとかで、よくわからない記事であったり、発言があったりすると、皆がいろいろなことをしゃべり出すのと一緒で、そういう話。

 あともう一つ。これはどんな心理学的な基盤があるのかどうかはしらないが、人は最初に発言することを躊躇ってしまうものかな、というのが周囲を見渡しての感想。なので、誰かが話始めることによって、周囲の空気が緩むということがある。たぶん、人のアイデアという点で、優越なんていうのはそれほど無い気がする。なので、まず最初に話始めることによって、「この程度でいいのか」と思って話始めることがある。

 とはいえ、それをすべての人に任せるのは難しいわけで、なら自分が率先して、ということになるんだろうけど、頭でわかっていても、なかなか実践が難しく、俺は貝のように黙り込んでしまうのであった。